今行われている治療方法とは?

薬物療法やリハビリテーション

認知症に対する治療は、現段階では特効薬も開発されておらず、症状を完治させる治療法も見つかっていません。したがって、症状の進行を抑える投薬や医療スタッフによるケア、リハビリといった対症療法を行うことしかできません。

投薬に関しては、認知症を治すためのものではなく、初期の認知症に対して症状が進行するのを遅らせるために薬が処方されることがあります。また、周辺症状として、うつや不眠症状などを発症した場合に向精神薬で周辺症状を緩和するために使われます。

医療スタッフによる診察やリハビリも認知症のケアには重要です。リハビリには、音楽療法や作業療法、アニマルセラピーといったものがあります。積極的に会話をすることも記憶を引き出すことやコミュニケーション能力の改善が見られることがあります。リハビリは認知能力を改善することだけが目的ではなく、人間としての尊厳を保つことや楽しみを感じてもらうことによって、生きる気力を失わないようにする目的もあります。

家族や地域の人たちの協力

認知症の治療では対症療法が中心となるため、医療スタッフだけ、または家族だけでのケアでは限界が訪れます。認知症の患者数が今後さらに増えてることが避けられない中、地域住民一人ひとりが認知症に対する理解を深め、社会全体でフォローしていくことが要求されてきます。

当然、行政の対応も不可欠です。かかりつけ医となる地域の医療スタッフに専門知識やスキルを身に付けてもらうことや、早期発見のために診断率を高める工夫、現時点でも不足している介護関係の人材確保などは喫緊の課題です。他にも、認知症の家族を抱える家庭に向けた生活支援、労働支援なども求められています。

介護の場では、介護疲れによる悲しい事件も発生しています。地域住民同士でコミュニケーションを取りあい、家庭が孤立しないことでこうした問題を減らす努力も必要です。認知症の問題を抱えている家庭が、周りの人の理解や協力を得られる体制・社会作りが今後の課題となっています。

さまざまな治療方法

認知症は完治する治療方法は見つかっていませんが、症状が進行していない段階では脳を活性化するためのトレーニング(脳トレ)を行うことがリハビリとして効果を発揮します。ただ、高齢者の場合や認知症の中核症状が進行し始めた場合は1人でリハビリを行うことが難しくなるため、介護・医療スタッフか家族の協力が必要となります。

有効とされる脳トレは、読書や音楽、ゲームなどがあります。読書に関しては、集中力が続かない場合は文字が大きくて読みやすい絵本を読むことも有効です。また、歌を歌うことや、リズムに合わせて軽く踊ったり手拍子をすることはリラックス効果もあり、音楽療法として一般的に行われています。

他にも塗り絵・工作は手先を使うため、脳トレの一環となりますし、囲碁・将棋・麻雀などのルールを知っている人の場合、これらのゲームやコミュニケーションが認知症の予防・対策に有効となります。トランプやかるた、クイズなどのレクリエーションも脳トレに役立つことから、介護施設の中にはこれらの取り組みを認知症の予防と抑制のために日頃から実施しているところもあります。